家をそろそろ買いたくて、主人と地元のモデルハウスを見て回っていたら、気に入った地元の工務店を見つけた!
デザインが私達好みで、営業マンとも意気投合して、マイホームの夢が現実になる!でも気になるのがお金の問題。
家の金額や住宅ローンについて話をしているうちに、主人の収入だけでは十分な金額の住宅ローンが組めないかもしれないことが判明。どうしたらいいですか?と営業マンに尋ねたところ、
「奥様も働いていらっしゃいますよね?ご主人と一緒に住宅ローンを借りるという形で、お二人の収入を合算してもらえばいいですよ。そうすればその分、銀行もお金を貸してくれますので、住宅ローンも心配ないです!」
と言われたけど、今ちょうど子供の産休、育休中なので給料が満額ではない。この状態ではたして、望んでいる住宅ローンの金額を借りることができるのか?
この記事を読んでいるあなたはこんな疑問を持っていませんか?
確かに、産休、育休中に住宅ローンを申込したら、住宅ローンを借りる時に不利にならないかと不安になりますよね。
このような疑問に対して、鳥取の元銀行員がお答えします。
私は以前、住宅ローンの担当をしており、8年間の間、毎月欠かさず住宅ローンの手続きをプロとして行ってきたので、鳥取のほとんどの銀行の審査事情についてある程度熟知しています。
その経験をもとに産休・育休中の鳥取の住宅ローン審査についてくわしく解説をしていきます。
目次
会社を産休・育休で休んだ低い給与で住宅ローンを申込みしたお客様を銀行はどう見るのか?
基本的に産休・育休中の方は、お勤め先から給料が出ないので、銀行としては収入がない状態として見ます。(休業中に支給される出産手当金や育児休業給付金は収入とは見なされません。)
ただ、休み明けには元の職場に復職する方が大半なので、休み中、収入がなくても復職する前提であれば、一般の方と同じように住宅ローンの審査をしてくれます。
要は一時的なお休みと見てくれて、復職後に休み前と変わらない収入があれば住宅ローンの返済も問題ない、と銀行は審査します。
なので住宅ローン申込時のヒアリングで、あなたが復職するかどうかは、それとなく銀行員から聞かれます。
復職をする場合は問題ないですが、もしあなたが産休・育休明けに復職せずに転職する、または今の会社を辞めることを考えている場合は注意が必要です。
捨ててはいけない、産休前の給与明細
先ほど、銀行は、復職後に休み前と変わらない収入があれば住宅ローンの返済も問題ない、と見てくれるとお伝えしました。ではどうやって銀行は復職後の収入を確認するのでしょうか。
基本的に銀行は、会社が発行する源泉徴収票や役所が発行する所得証明書で、あなたの前年1年間の収入をチェックします。
しかし前年1年間の中に産休・育休中の期間が含まれていたら満額の金額が記載されていないので、あなたの年収は少なく見られてしまいます。
なので、ある鳥取の銀行では、源泉徴収票などの代わりに、産休に入る前の給与明細を見せてほしいと言われます。もちろん1年間の給与明細のすべてが残っていれば一番良いですが、最低、直近6カ月分だけを提出すれば、それをあなたの1年間の収入の見込みとして計算してくれるようです。
もし、給与明細を捨ててしまって、6カ月分を提出できない場合は、あなたの収入の見込みを会社が証明する書類を銀行から求められます。
この書類は銀行所定の書式で、あなたの会社の経理の方を通じて記入、会社の押印が必要となりますので少し手続きが面倒に感じられるかもしれません。
源泉徴収票あなたの年収の見込みを、銀行にスムーズに計算してもらうためにも、産休・育休前の給与明細が手元にあるかどうかを確認しておきましょう。
住宅の引き渡し前に復職が必ず必要?
家の最終的な引き渡しの時に、銀行から住宅ローンを借りて、工務店やハウスメーカーに代金を払いますが(住宅ローンの実行といいます)、以前はこの実行の時に必ず復職していることが条件になっている銀行が多かったようです。
ただ今は、必ずしも住宅ローンの実行時にあなたが復職している必要はなく、融資の条件にしていない鳥取の銀行もあるようです。
これだときちんと育休も長めに取得できるので、住宅ローンが組めるかどうかの心配なく、子育てに専念できますね。
注意!あなたやご主人の年収・勤め先によっては、厳しい審査結果になることも?
住宅ローンの審査は、あなたの年収だけでなく、どんな業種の仕事をしていて、どこの会社に勤めているのかも対象になります。また二人で住宅ローンを借りる場合、あなただけでなく当然ご主人の年収や勤務先などもチェックされます。
審査の厳しい鳥取の銀行だと、上記の事も審査対象として重要視します。
その結果、産休・育休中の年収の見方や、融資する条件が今までお伝えしたことと相違することがあります。
収入見込みではなく過去の実績で審査される場合もあります
「産休・育休中に入る直近6カ月の給与明細から1年間の収入の見込みを算出する」とお伝えしましたが、産休・育休に入る前の満額の給与支払いを受けた年の源泉徴収票などを参考に、1年間の給与の支払い実績で審査する銀行もあります。
つまり、産休・育休後の年収を見込みで計算してくれる銀行もあれば、過去の実績で計算する銀行もあるということです。
産休・育休に入る前のフルの1年間の給与の支払い実績が今年度の見込み年収より悪い場合は、そちらで見られてしまうと住宅ローンの審査は不利になるかもしれません。
審査次第では住宅ローン実行時に復職が必要な場合も
「必ずしも住宅ローンの実行時にあなたが復職している必要はない」とお伝えしましたが、審査次第では、あなたが復職したことを会社が証する用紙や復職後の給与明細を確認資料として提出することが条件になる銀行もあります。
つまり住宅ローンの実行時には必ず復職する必要があるので、場合によっては十分な育休が取得できず、子育てに影響が出てくるかもしれません。
まとめ
鳥取の銀行で、産休・育休中でも住宅ローンの申し込みは可能です。
・会社を休んでいた年の年収ではなく、休む前の最低6カ月の給与明細から「見込み」年収
で審査してくれます。ただし審査において「実績」で年収を見る銀行もあるので注意が必要です。
・住宅ローンの実行時(家の引き渡し時)に復職をしている必要はありません。しっかり育休を取って、育児に専念できます。でも審査で、住宅ローンを組むには復職を条件にして、確認資料まで求めてくる銀行もあるので注意が必要です。
以上、産休・育休が住宅ローン審査に与える影響について解説をしていきました。
思ったよりも厳しくないと感じたのでないでしょうか?正しい情報を把握していれば、産休・育休を取得しても安心して住宅ローンを組むことができます。
ぜひこちらの情報を参考にして、住宅購入の計画を考えてみてください。
そもそもあなたの年収も合算してまで住宅ローンを組んで将来大丈夫なのか?
ただ、ご主人の収入だけでなくあなたの収入を合算してまで住宅ローンを組むことは本当にベストな選択と言えるでしょうか。
私の経験上、夫婦の収入を合算して住宅ローンを組む場合、本当に借りても大丈夫な金額をオーバーしてしまっていることがよくあります。
借りても大丈夫な金額をオーバーしてしまうと、住宅を購入した後に住宅ローンの返済の負担が大きくなり、生活が苦しくなってしまうことも考えられます。
特に、子どもが大学に進学する時などにまとまったお金が必要になり、住宅ローンの返済が厳しくなってしまうケースも多いです。
そうならない為には、自分たちの収入・支出・貯蓄や将来に予想される出費を考えた上で『本当に借りても大丈夫な金額』を明確にする必要があります。
鳥取マイホームお金の相談室では、鳥取の住宅ローンについて詳しいファイナンシャルプランナーが客観的な立場からあなたにとって適正な住宅ローンの額を具体的にお伝えしています。
産休・育休中だけど、家づくりや住宅ローン、お金について失敗したくない方は、ぜひ一度こちらをご覧ください。